STAFF STORY Interviews

STORY

01

安藤 寿絵

ファイナンス&オペレーションズ
ヴァイス プレジデント


2008年にシアトルで開催されたPacific Health Summit

グローバルの中の「一流」を目指す

私は、アメリカで幼少期を過ごし、小学校2年生から高校までを東京で過ごし、大学からアメリカに戻りました。その後、シアトルにあるJapan-America Society(日米協会)で働き始めました。5年ほど働いた後、同協会に勤めていた当時の理事が別のシンクタンクで新しいプロジェクトを立ち上げたのをきっかけに、私も転職しました。そこでは、シニアメンバーの秘書やイベントプランニング業務から会計まで、文字どおり何でもやる経験を得ることができました。最終的にはそのシンクタンクで9年ほど働きました。その時に携わったPacific Health Summitというグローバルヘルスの国際会議がきっかけで、2011年にスリングスビーと出会いました。この出会いが大きなきっかけになり、日本に再び戻って、GHITで働くことになりました。

アメリカから日本に移住することは私にとって大きな変化でしたが、スリングスビーのビジョンや官民連携への思いに心を動かされたこともあり、日本の新たなイニシアチブのために働くことを決めました。GHITがただ単にグローバルな組織を目指すのではなく、その中でも「一流」を目指す姿勢や意気込みにとても好感を持ったからです。それに加えて、話を聞くうちに、私自身の米国での非営利組織での職務経験や、日米の両方の文化を知っていること、日本や日本人を応援する活動ができることなど、いろいろな点において、GHITでの仕事は自分が今までやりたかったことがすべて活かせる仕事だと確信を持ちました。すべてのことに意味があると感じているので、このような機会が目の前に訪れたのであれば、全力で成し遂げないといけない、と思ったことを今でも鮮明に覚えています。

場をつないで人や組織のパワーを最大化させる

GHITの大きな役割の一つに、国際的な舞台で日本のプレセンスを上げることがあります。これまで様々な国際会議に携わってきましたが、海外では日本の存在感が他国に比べて弱く、積極性に欠けると感じることもありました。例えば、国際会議を行う場合、他のアジア圏の人たちは、何が何でもその会議に招待してほしいとアピールをします。しかし、ハイレベルな方々が会議に来るようなものだとしても、日本の方々はあまり関心を示さなかったりすることもあって非常にもったいないと思っていました。しかし、会議の運営を行う中で、日本の人たちも関心がないのではなく、国際会議においてどのように存在感を出したら良いのか、そのやり方がわからないのだということに気づきました。この点に気づいてからは、日本の方々が国際会議で力を発揮できるようにするには、どのような場を提供すれば良いのか、という視点で考えるようになりました。力を発揮できる「場を提供する」ことが自分の、そしてGHITの役割の一つだと考えています。このような背景の中で、MMVDNDiの方が5周年企画のインタビューで答えてくれたように、GHITが入ることでパートナーが見つかったなど、私たちの行う「場の提供」に関して評価をいただけたことは、とても嬉しいことです。次の段階としては、周りからの高まる期待にどのように応えていくか、というところがチャレンジングであり、面白いところだと思います。

私のGHITでの業務は一言で言うと、ファイナンスの統括です。具体的には、5年、10年を見据えた組織のシステムを作るために、GHITのChief Operating Officerとともに会計、財務、内部統制、監査などを横断的に見ています。ファイナンスの観点から、現在の組織の状態を見て、将来どこに行きたいかを考え、それに向けて何をすべきかを判断し、計画し、実行するのが役割です。入社前から感じていた非常にやりがいのある仕事だという認識は、入社後の今も変わりません。

また、組織の中で自分の経験や強みを活かすことができているとも感じています。 例えば、私は一個人、一組織だけでは成し遂げることが難しい問題あるいは取り組みに、それぞれの分野で活躍し、ノウハウや技術を持つ人や組織をつなげ、インパクトを最大化するパートナシップの構築そして促進に、グローバルな問題に取り組む中で大きな意義を感じています。そこから新しいものが生み出されるととてもワクワクし、これまで培った自分の経験や強みが活かされていることに達成感を感じます。私は薬や公衆衛生の専門性を持っているわけではありませんが、専門性を持った人や熱い思いを持った人たちをつなぐお手伝いができることはとても嬉しいことです。

日本と海外での業務の進め方に関しては、日米での経験があることが非常に役に立っていると感じます。スピード感、優先順位、業務を進める上で大切にすることなどが日本と海外、またグローバルスタンダードで異なることがよくあります。GHITは、グローバルな活動を行っていますが、一方で日本の組織でもあります。国際的な機関としての革新的な性質を保ちながら、日本の作法や文化に合わせた進め方をすることが求められます。そういった意味で、日本、海外のステークホルダー両方に対して、いかに気持ち良く働いてもらうかを考えるにあたって、双方の文化的な背景を踏まえた上で対応する必要があります。それには、前職で培った経験がとても役に立っています。


内閣府から受領された公益社団法人認定書

組織全体に自信を与えた公益社団法人の認定

この5年間の中で最もチャレンジングだったことは、GHITが一般社団法人から公益社団法人へと認定されるまでの過程です。通常では公益法人への移行は数ヶ月で許可が下りるケースが多いのですが、GHITの場合1年間かかりました。公益社団法人としての認定を得るためには、民間有識者で構成される第三者委員会による審査があります。組織の公益性やガバナンスが十分に証明できないと認定をもらうことはできません。GHITの場合、日本初のグローバルなパートナーシップによるグローバルな活動をする官民連携の非営利組織という理由で認定に時間を要しました。新しい形態の組織であり、事業内容もグローバルであることで、認定委員会の皆様のご理解を深めていただくため、何度もミーティングを重ねたことが今でも良い思い出として残っています。様々な専門家を巻き込んで成し遂げた成果であり、私にとっても大きな達成感を感じた経験でした。

このプロセスを経て、無事に認定が下りたことで、社会的にも組織の信頼度が上がったと思います。またそれに加えて、私自身にも、組織にも、自信がついたと思います。組織としての良い意味での「プライド」を持って仕事ができている気がします。みんなで何かミッションやゴールを持って目標をやり遂げていくという決意のようなものを感じられるようになりました。

これまでの5年間は立ち上げの段階でがむしゃらに走ってきました。次の5年間をさらにより良いものにするためには、今のうちに基礎の土台になる部分をしっかりと作って、次の段階につなげていきたいと思っています。

GHIT= 不可能なことを可能にできる場所

GHITの魅力は、会長の黒川や、CEOのスリングスビーを始め、メンバーそれぞれが思いの強さ、熱意に加えて、それぞれがプロフェッショナルに仕事を実行できるリーダーシップがあることだと思います。経験があり、意識の高い人々と一緒に働くことで、自分が気づかないことに気づかされることがたくさんあります。そして、ビジョナリーなリーダーたちに導かれながら、高い視座でものごとを見ながら、仕事ができる環境は非常にありがたいし、GHITの魅力的なところだと思っています。当初はどのくらい日本に滞在するのかなと思いましたが、エキサイティングな仕事に没頭しているうちに、気づけばあっという間に5年経ってしまったという感覚です。

GHITは、不可能なことを可能にする場を提供している組織だと思います。これは、スタッフに対しても、です。やる気や強い思いがあれば、挑戦できるチャンスをもらえますし、成長できる機会に溢れていると思います。今の組織にはそういう人たちが集まっているので、チーム一丸となって何かを成し遂げる醍醐味を味わえていると思います。私自身も振り返ってみると、この5年間で、この組織に成長させてもらったと感じています。以前よりも、自信を持って物事を判断できるようになったと思います。

仕事でのスタンスを、プライベートでも

人生においては「楽しく生きる」ことを大切にしています。何か仕事をする際、重要なことは、「WHY-なぜこの仕事をするのか」を考えることです 。「なぜ」を突き詰めて仕事をすることは、結果を出す上でとても重要だと思います。それは、プライベートでも同じで、私にとって成長できることに対して時間を費やしたいと思っています。音楽を聴きに行ったり、旅行に行ったり、私にとってプライベートは「自分が成長したりハッピーになる」ことが一番大切なので、それが実現できることに時間を費やしています。

また、仕事に限らず、能力のある人たちがもっと能力が発揮できるような場を作るお手伝いができたらと常々思っています。強い思いをもっている人たちのやる気のスイッチを押すきっかけになりたいです。かつての私がそうであったように、やる気はあっても、自分自身で「これは無理」とブレーキをかけてしまうことが、仕事や人生においてたくさんあります。不可能だと思っても可能にする方法はあります。組織として、応援することはもちろんですが、個人としても、強い思いを持つ人たちが、キャリアやその人の仕事以外の人生においても成長できるようなきっかけを作ったり、前に進めるお手伝いをしたいと思っています。

本インタビューに掲載の所属・役職名は、2017年のインタビュー公開時のものです。

略歴

安藤 寿絵

ファイナンス&オペレーションズ
ヴァイス プレジデント

GHIT Fundのファイナンスおよびオペレーションを統括。ワシントン州日米協会にて業務統括部ディレクターを務め、The National Bureau of Asian Research(NBR)にてPacific Health SummitおよびPacific Energy Summitの立ち上げに従事し、日本関係者との連携強化に携わる。後に、経理担当管理者として組織の会計業務を担当。2013年より現職。ワシントン大学卒業。

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安藤 寿絵ファイナンス&オペレーションズ
ヴァイス プレジデント
鹿角 契投資戦略 兼
ガバメント・リレーションズ
シニアディレクター
北脇 佐保エクスターナル エンゲージメント
シニアマネージャー
玉村 文平ブランドコミュニケーション
シニアディレクター